
「大福」とは、古くは「腹太餅(はらぶともち)」と呼ばれていた餅菓子がルーツ。江戸時代には「大腹餅(だいふくもち)」から「大福餅(だいふくもち)」へと変化し、「福を包む」として縁起物としても親しまれてきました。
いちご大福が誕生したのは1980年代。和菓子の中では比較的新しい存在ですが、その見た目の可愛らしさと、果物と餡の意外な組み合わせが受け、瞬く間に人気者に。モチモチの求肥の中に、ジューシーな苺と優しい甘さのこしあんが包まれた、まさに「幸せを一口に詰めた」和スイーツです。
材料(10個分)
【こしあん】
・小豆:200g
・砂糖:160g
・塩:ひとつまみ
・水:100ml
【求肥】
・餅粉(または白玉粉):200g
・砂糖:60g
・水:200ml
その他
・いちご:10個
・コーンスターチ(または片栗粉):適量(打ち粉用)
作り方
こしあんを作る
1.小豆を洗い、鍋にたっぷりの水と共に入れて沸騰させる。沸騰したら火を止めてフタをし、20分置いてから湯を捨てる(渋切り)。
2.再び鍋に小豆と5倍量の水を入れ、アクを取りながら50分ほど煮る。豆が潰れる程度の柔らかさになったら火を止め、フタをして30分蒸らす。
3.ザルにあけ、木べらで潰しながらこし、皮を取り除く。さらに細かいこし器で二度目の裏ごしを行う。
4.ボウルに入れ、水を加えて15分置き、上澄みを捨ててから布巾で包んで水気をしっかり絞ると「生あん」が完成。
5.鍋に水100ml・砂糖160g・塩ひとつまみを入れて加熱。溶けたら生あんを加え、ゴムベラで練る。お好みの固さになったらバットに移して冷ます。
2. 求肥を作る
1.ボウルに餅粉、砂糖、水を入れて混ぜる。
2.電子レンジ(600W)で2分加熱→混ぜる→様子を見ながら再加熱と混ぜるを繰り返して、もちもちの質感に調整。
3.打ち粉をしたバットに求肥を広げて、表面にも打ち粉をまぶし、冷蔵庫で冷やす。
3. 包む
1.ヘタを取ったいちごを、こしあんで均等に包む。
2.求肥を10等分し、それぞれで苺入り餡を包む。手につきやすい場合はコーンスターチを多めに使うと作業しやすい。
和菓子の未来にふれるひととき
いちご大福は、新旧の和菓子文化が美しく融合したスイーツ。旬の苺を使って作るこのお菓子は、季節感を楽しむ日本らしい知恵が詰まっています。こしあんから手作りすることで、甘さ控えめの上品な味わいになり、苺の風味が一層引き立ちます。
作る工程は少し手間がかかりますが、その分、食べたときの喜びは格別。手間をかける楽しさ、季節を味わう幸せ、そして誰かと分け合いたくなるような優しい味を、ぜひご自宅で。